(酒は誰でも酔はす) 中原中也 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定    (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数) (例)Ⅱ ------------------------------------------------------- 酒は誰でも酔はす だがどんな傑れた詩も 字の読めない人は酔はさない ――だからといつて 酒が詩の上だなんて考へる奴あ 「生活第一芸術第二」なんて言つてろい 自然が美しいといふことは 自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい―― そりや経験を否定したら インタレスチングな詩は出来まいがね ――だが 「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ 科学が個々ばかりを考へて 文学が関係ばかりを考へ過ぎる 文士よ せち辛い世の中をみるが好いが その中に這入つちや不可ない 底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ」角川書店    2001(平成13)年4月30日初版発行 ※底本のテキストは、著者自筆稿によります。 ※()付きの表題は、作品の冒頭をとって、底本編集時に与えられたものです。 ※()内の編者によるルビは省略しました。 入力:村松洋一 校正:きゅうり 2019年12月27日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。