金めだか 小川未明 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)鰭《ひれ》 /\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号) (例)なみ/\ -------------------------------------------------------  陽の光りが、庭先の鉢のところまでとゞくようになりました。なみ/\といれた水の面へ、かあいらしい金めだかが、四つ頭をならべて、せわしそうに鰭《ひれ》をうごかしながら、光りを吸おうとしています。もっと大きいのも沢山いたが、冬を越す間にこれだけとなりました。  いま、芽ぐんでいる睡蓮が、やがて鉢いっぱいに葉をのばして、黄色な花を咲くころ、その間を泳ぎまわり、卵をつけることだろうと思うと、何となく、この色の鮮かなめだかの将来を、輝やかしく思うのでした。 底本:「芸術は生動す」国文社    1982(昭和57)年3月30日初版第1刷発行 底本の親本:「童話雑感及小品」文化書房    1932(昭和7)年7月20日初版 入力:Nana ohbe 校正:仙酔ゑびす 2011年11月30日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。