お母さん 小川未明 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)お母《かあ》さん ------------------------------------------------------- 「お母《かあ》さん海《うみ》が見《み》えた! あれあれかもめが飛《と》んでいるよ。 あれあれあんなに遠《とお》く帆掛船《ほかけぶね》が 見《み》えるよ。 お母《かあ》さんお母《かあ》さん海《うみ》が見《み》えたよ!」と 子供《こども》がいった。 「沖《おき》の白帆《しらほ》が白《しろ》いか、飛《と》んでいるかもめが白《しろ》いか、わたしの姿《すがた》が白《しろ》いか。」と 波《なみ》がいった。 「さあ、車夫《くるまや》さん、かまわんで引《ひ》いてください。」と 母《はは》がいった。 底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社    1977(昭和52)年1月10日第1刷    1981(昭和56)年1月6日第7刷 初出:「新小説」    1907(明治40)年1月 ※表題は底本では、「お母《かあ》さん」となっています。 入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班 校正:江村秀之 2013年11月5日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。