バザンの小説 田山録弥 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#横組み] -------------------------------------------------------  バザンの[#「バザンの」は底本では「バサンの」]田園小説を二三册讀んだ。描寫などに稍々新らしい匂ひのする處がないでもないが、何うも全體の上の感じは餘りよくなかつた。[#横組み]“This, my son”[#横組み終わり]など親と子といふ深い關係を材料にして居りながら、其中心にはねつから觸れたところはなく、其親に背いて巴里に出た息子の末路なども、作者に豫め成心があつて、さうした運命を得させたやうな氣がした。殊に息子の戀に就ての描寫が淺薄で、いかにも斧鑿の痕が歴々と見え透いて居るのは拙いと思ふ。それに、強いて誇大な事件をつくり出すのが、一番厭である。 底本:「定本 花袋全集 第十五巻」臨川書店    1994(平成6)年6月10日復刻版発行 底本の親本:「定本 花袋全集 第十五巻」内外書籍    1937(昭和12)年1月18日初版発行 入力:特定非営利活動法人はるかぜ 校正:きゅうり 2020年11月27日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。