歌舞妓芝居後ありや 折口信夫 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)私《ワタクシ》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定    (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数) (例)〻 /\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号) (例)ほと/\ ------------------------------------------------------- [#ここから2字下げ] [#ここから1段階小さな文字] 音羽屋六代の主 尾上菊五郎歿す。その日遥かに能登にあり。我また、 私《ワタクシ》のほとけ[#「ほとけ」に傍点]を持ちて、盂蘭盆の哀愁、愈〻切なるものあり。 [#ここで小さな文字終わり] [#ここで字下げ終わり] 亡びなきものゝ さびしさ。永久《トハ》にして 尚《ナホ》しはかなく、人は過ぎ行く [#ここから2字下げ] [#ここから1段階小さな文字] 自ら撰《ツク》る所の戒名 芸術院六代菊五郎居士と言ふと伝ふ。 もの思ふこと彼《カレ》の如く深く、之を表すこと彼の如く切《セツ》にして、なほ知識 短きこと斯くの如きに、人は、ほと/\哭かむとす。 [#ここで小さな文字終わり] [#ここで字下げ終わり] 酔ひ深く いとゞ五斗《ゴトウ》の舞姿 しづかに澄みて、入りゆけるはや 底本:「折口信夫全集 22」中央公論社    1996(平成8)年12月10日初版発行 底本の親本:「かぶき讃」創元社    1953(昭和28)年2月20日 初出:「演劇界 第七巻第八号」    1949(昭和24)年8月発行 ※初出時の署名は「釈迢空」です。 ※底本の題名の下に書かれている「昭和二十四年八月「演劇界」第七巻第八号」はファイル末の「初出」欄に移しました。 ※初出時のルビは平仮名です。 入力:門田裕志 校正:酒井和郎 2019年7月30日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。