戦争指導者 岸田國士 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ] ------------------------------------------------------- [#ここから改行天付き、折り返して2字下げ] 流頭。ハロー、聞えるかね、また聞えんふりをしとるんぢやないかね。 茶散。まあいゝからその先を云ひたまへ。日本で戦艦献納運動がはじまつたら、どうしたと云ふんだ。 流頭。どうしたもかうしたもない、若しほんとだとしたら、君、われわれの作戦は土台から、君、てんで問題にならんぜ。 茶散。予算をふやせばいゝぢやないか。君のところには、まだ金はあるだらう。 流頭。金はあるが、人がない。 茶散。人はなんとかなるさ。女がゐるよ、女が。うるさい奴は、みんな水兵にしちまへ。 流頭。まつたくさうでもしたいよ。ゆふべも、実はある婦人会でいぢめられたんだがね、日本の軍艦がアメリカの軍艦より一隻でも多くなつたら、もう戦争は止めろと云ふんだ。フヽヽ無理はないよ。 [#ここで字下げ終わり] 底本:「岸田國士全集26」岩波書店    1991(平成3)年10月8日発行 底本の親本:「辻小説集」八紘社杉山書店    1943(昭和18)年8月18日発行 初出:「日本学芸新聞 第一五一号」    1943(昭和18)年4月1日 入力:tatsuki 校正:門田裕志 2010年4月19日作成 2011年1月11日修正 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。